2012年12月2日日曜日

不可思議/wonderboy/ラブリー・ラビリンス



1.もしもこの世に言葉がなければ
 アルバム内で一番哲学的なものを感じる曲。曲自体もシンプルで嫌いじゃない。

2.未知との遭遇
 なんかふわっとしたSFっぽいトラックが印象的な一曲。当時好きだった人に捧げたラブソングらしく、ちょっと臭い歌詞がたまらない。特に最後の「ハッピーエンドではなくハッピーエンドレスな日々へ」という部分が凄く好き。

3.銀河鉄道の夜
 銀河鉄道のレールを作る男とその帰還を待つ恋人の遠距離恋愛を歌っており、前半では男性主観、後半は女性主観の歌詞になっている。最後に再び男視点へと戻るところがニクい。

4.迷宮Ⅰ
 雨音みたいなトラックに、女性の可愛らしい声を乗せたポエトリーディング。

5.タマトギ
 これまでとはちょっと雰囲気が変わり、和風テイスト。何気に良曲。

6.君(能動的3年間)
 ワンダーボーイ本人によるポエトリーディング。アルバムの中では結構重要な位置にある曲なんだろうけど、正直あまり好きじゃない。

7.風よ吹け
 トラック3、9と並んでこのアルバムで最も出来のいい曲の一つ。でもインパクトとしては9の方が強いかな。でもいい曲。

8.偽物の街
 最初はあまり好きではなかったのだけど、何度か聞くにつれて好きになっていった。たぶん僕だけだけど、なんとなく歌詞に懐疑主義っぽさを感じた。
 
9.Pellicule
 哀愁漂うトラックに乗った、やるせなさと未来への希望を同時に感じさせるリリックが素晴らしい。もの凄く臭いんだけど、なんでこんなに響くんだろう。ポップさでは随一なので、興味がある人はまずこの曲を視聴してみることをおすすめする。

10.迷宮Ⅱ
 トラック4と同じ構成。長い曲ではないけれど、次のラストトラックへのつなぎとしてはかなり重要な位置にあると思う。

11.いつか来るその日のために
 あんまり印象には残らない曲だけれど、今回改めて聞いてみて「自分の居場所を誰かに聞くことはできない」という歌詞にはっとさせられた。なぜか少しもの悲しさを感じてしまう曲。

総評.あまりラップは聴かないのだけど、このアルバムは小林大吾の「詩人の刻印」以来のヒットだった。ストレートなリリックと勢いで畳みかける感じが非常にカッコいいし、ポップでわかりやすいので、こういう人が売れ線になれば良かったのにと思う。きちんとした形で次回作が聴けないということが本当に残念でならない。
 あとタイトルがややこしいけど、 不可思議/wonderboyの「ラブリー・ラビリンス」というアルバムです。

2012年8月6日月曜日

eufonius/メトロクローム



1.flare
 造語のケルト風ポップ。エンヤとかに近い感じ。

2.Indelible name
 前曲の流れを汲んだ美メロポップ。ボーカル以上に目立つコーラスが素晴らしい。

3.ラクガキ~10 billion mix~
 北欧な雰囲気から一転、チップチューンっぽく始まるへんてこポップス。非常に中毒性がある。

4.letter
 ゆったりとした静かな曲。ただ途中で電子音が入ってきて、どこか一筋縄ではいかない感じ。

5.メトロクローム
 eufoniusお得意のメルヘンっぽい曲。
 ギターソロの後に一気に曲調が変化し、そのまま終わってしまう。

6.plage
 ゴスペル風のコーラスだけの曲。長さは三十秒程度しかないが、非常に綺麗で印象に残る。

7.夕空ワルツ
 ケルトな美メロ再び。どうにもriyaは管弦楽器との愛称がいいみたい。

8.シラタマ
 ここで流れを一気にぶった切って、猫の生活を描いたポップスへ。
 散漫にならない程度に色んな電子音が鳴っていて面白い。、

9.sign
 静かなピアノから始まる、音数を絞ったシリアスな曲。凍てつくような張り詰めた空気が痛々しい。

10.白い箱庭
 凍った空気はここですぐに溶かされる。
 前半は優しくもゆったりとした曲だが、後半から一気に加速し、アッパーチューンっぽくなる。
 
11.ちいさなうた~album mix~
 ピアノとボーカルのみの優しいポップス。
 過去の曲の再録らしいが、アルバムの雰囲気には合っている。

総評.
 4年ほど前の作品だが、今年前半で一番衝撃的だった作品。
 なぜこのクオリティでインディーズレーベルから出しているのかはわからない。とにかく一曲一曲のレベルが非常に高い。
 ただ、ファンタジーかつ浮世離れした歌詞の曲が多く、あまりノリノリで聴くようなタイプのアーティストではないため、一般受けするにはちと厳しいか。
 とにかく普通のポップスに飽きた人は、アニソン・ゲーソンの人だとかそんな偏見を捨てて、一度聴いてみればいいと思う。

超飛行少年/スーパーフライングボウイ





1.間接照明
出だしのギターの音量的にちょっとびびる。インディーズシングル曲。シンプルなポップロック。

2.アイエヌジー
歯切れの良いギターが気持ち良い。ラノベアニメの主題歌だったらしい。

3.日曜快晴日
ポップロック。アルバムの中では一番印象が薄い。

4.ずるい人間
ミドルテンポから段々と盛り上がっていき、サビはギターがアコギっぽくなる。

5.ゼブラの途中
ゼブラと言うのは横断歩道のこと。 何気に嫌いじゃない。

6.タテガミオーケストラ
個人的ベストトラック。ただどっかで聞いたことがある気がして、内心未だにパクリなんじゃないかと疑い続けている。

総評.
個人的に絶対売れるだろうと踏んでいたのに、見事発表したアルバム(ミニアルバム含)は三枚とも爆死。そのままメジャーレーベルとの契約を解消し、一年の活動休止を経て解散という黄金パターンになってしまった超飛行少年(スーパーフライングボウイ)の最初で最後のミニアルバム。むしろ、解散ライブが音源化されただけでも一ファンだった身としては喜ぶべきなのか。

とにかく変な捻りのないストレートなギターロック風ポップなので、万人受けはするはず。ただそれが購買欲につながるかと言うと、ファンの自分でも疑問。何がよかったのかと聞かれると、「声、ポップさ」くらいしか言えないが、少なくともギター初心者の自分がスコアを買ってコピーしたくらいの不思議でささやかな魅力はあった。というか、今もある。たぶん、これが俗に言う「信者」というやつの戯言なのであまり気にしないで欲しい。

ちなみにフロントマンは「SAY MY NAME.」というバンドを結成し、今も精力的に活動している模様。現行でCDを買ったりはしていないけど、どんな形であれ、活動を続けてくれるのは純粋に嬉しい。


いとうかなこ/Chaos Attractor




1.追想のディスペア
なんか民族音楽っぽい。コーラスが焦燥感を煽る。

2.キミと夜空と坂道と
出だしのボーカルラインがおもしろい。正当派ポップスソングといった感じ。ちょっと捻ったいきものがかかりと言ったら雰囲気が伝わるだろうか。

3.fake me
カッコいいエレクトロニカポップ。特にボーカルの後ろがカッコいい。

4.Find the blue
今度はバンド音楽。最後らへんのベースソロがあるところに目新しさを感じる。

5.escape
ちょっと苦手。あんまり好きじゃないかな。

6.A will
一瞬、ピアノバラード?と思ったら違った。途中からミドルテンポになって良い感じ。

7.friend
民族音楽っぽいパーカッションから始まる曲。今度はバラード。普通に良曲。ただいとうかなこがこの曲を歌うことになんか違和感が。

8.ivy
普通のポップス。良くも悪くもポップス。

9.F.D.D.
やっぱいとうかなこってこういうロックな曲が一番あってるんじゃないかと思う。もしくは音数の少ないバラード。

10.クライ
バラード。正直なんか面白味がないって言うか。盛り上がりに欠ける。

11.Desire Blue sky
またバラードかなと思ったら違った。サビに入るまでが非常に秀逸。

12.スカクラッドの観測者
初っぱなからキーボードの音が入っていて、「電子音楽ですよ」と主張しまくっているエレポップ。サビのボーカルラインとか非常に好み。だけど、飽きやすい。

13.Another Heaven
ゲーム本編で聞いたときも思ったんだけど、一部サビに無理矢理歌詞を入れているところがあってもの凄い違和感を感じる。普通のバラード曲。

14.突風
シークレットトラックその1。あんまり好きじゃないっす。

15.Fly to the sky
シークレットトラックその2で、最後の曲。シングルのカップリングらしいけど、普通にタイトル曲でもいいんじゃないかと思うぐらい良い曲。

総評.
これまでの5pb.のゲームの曲を詰め込んだベスト版。後に発売されることになった「“Thank You!” ITO KANAKO the BEST -Nitroplus songs collection-」とは収録曲が一切被ってないため(まあコンセプト的に当然だが)、この二枚をそろえるとゲーソン歌手としてのいとうかなこは、だいたいコンプリートできる。
いとうかなこはハスキーなカッコいい声をしているが、あまりに特徴的であるため、曲によっては雰囲気にあってないような曲が数曲あったのが残念。別の人に歌わせてもいいんじゃないかみたいな。
まあそれほどアニソンっぽくないし、カッコいい曲ばかりなのでおすすめ。ただガラスの靴みたいなのを期待できないけど。
ちなみにアマゾンで未だに売っている初回特別版は、よくあるプロモとかが入ったDVDクリップなので、マニアでもない限りはわざわざ買う必要はないと思う。

岸田教団&THE明星ロケッツ/LITERAL WORLD

1.コノハ
前作はパワーコード連発だったけど、今回はちょっと色々カオス感が出てる。ちなみに今回はアジカンっぽくはない。

2.girl of nothing
歌詞の元ネタはゼロの使い魔らしい。ルイズルイズうわああのコピペしか知らないんだけど。
やっぱり若干カオス。


3.literal world
表題曲にして、このアルバム1のキラーチューン。出だしのギターリフがカッコいい。ただハイハット多用しすぎな気が……。

4.夏空
ようやくミドルテンポへ。前作の秋空とは関係がないらしい。

5.hollow word
歌詞が世界系っぽい。1と2に似てる。


6.最後の夜空
ロックバラード。あまり好きじゃないっす。

7.暁を映して
サビのドラムの為にあるような曲で、9mmのDiscommunicationを彷彿とさせるような激しさ。もの凄くインパクトがあって面白いんだけど、いかんせんギターソロが適当すぎる。


総評.
前作「星空ロジック」より激しくなって曲のクオリティも全体的に良くなったんだけど、ぶっちゃけ自分としては前作の方がよかったかなぁ。捻りすぎてそれが消化不良な点がちょっと……。
方向性としては、星空ロジック系のパワーポップもよかったけど、こういうハードな演奏でも十分良い。ので、もうちょっと多様性というか、曲のバラエティが欲しいかな。

amazarashi/0.6




1.光、再考
「amazarashiって何?」って人はとりあえずこの曲を聴けば分かる。この曲に共感に近いものを覚えればamazarashiの大抵のアルバムは名盤になりうるだろうし、反対に中二病の戯言と見なせば、すべてが糞盤に感じる。
ひたすら人生は暗いけど、希望を捨てないで。そんな感じの曲。

2.つじつま合わせに生まれた僕等
このアルバムの仲で一番好きな曲。人間の醜さと悲壮感を歌っているような、そんな歌詞。

3.ムカデ
前二曲とはうって変わってハードな演奏。可もなく不可もなくといった感じ。

4.よだかの星
1分52秒。短い曲。綺麗なインスト+ポエトリーディング。

5.少年少女
最初はポエトリーディングから始まる。無限の可能性が広がっている少年少女だったあの頃を回想している曲。

6.初雪
離ればなれになった男女のことを歌った曲。悪くないけどamazarashiにしてはキレイ過ぎるというか、普通。
7.光、再考(DJ KRUSH remix)
あまりクラブミュージックには明るくない自分でも知っているDJだが、これは完全な蛇足。必要性が感じられない。


総評.
最近割と注目されている青森県出身の二人組バンドamazarashiの1st。
楽器の構成自体はギターベースドラム+キーボードと非常にシンプル。

音楽性自体はポエトリ的というか、フォークのような歌い方以外は特出した点はなく、演奏よりもむしろ歌詞ありき。そのせいか、一曲一曲の歌詞の量が半端でなく、普通のバンドの三倍ぐらいあるのが特徴。その上CDにも歌詞カードとは別に詩集がついている。なんかちょっと得した気分になれるけど、どれだけ表現したいんだこれ。

その反面、あまりに世界観が完成されすぎていて、窮屈すぎるというか、解釈の自由が感じられないのが欠点か。


正直なところ、非常に灰汁の強いバンドであるため、手放しで褒めにくい。

とはいっても、ファーストアルバムとしては十分過ぎる構成で、彼らの魅力が十二分に詰まっているいいアルバムだとは思う。個人的にはこういった音楽は大好物なので非常に楽しめた。

ただ、いくらこのバンドが好きだからといって、間違っても知り合いにCDを貸したりしてはいけない。このバンドは誰かと共有せず、部屋の隅で歌詞と睨めっこしながら聞くべきだ。

2012年8月5日日曜日

People In The Box/Family Record






1.東京1分54秒と短い曲。たぶん導入曲的な扱いで、歌詞は旅行に出発みたいな感じかな。

2.アメリカ
「強くなることはとても恥ずかしい」という歌詞やタイトルから反戦ソング(?)。でもたぶんピープルだし、違うような気も。
最初聞いたときはピープルっぽくないなと思った。

3.ベルリン
レッドライトグリーンライト! こんなの歌いながら弾くとか不可能だと思うぐらいギターが変な曲。

4.レテビーチ
最初のギターがビーチっぽい。全体でも言えるけど、リズム隊がいい仕事をしている。このバンドって「楽しい」という歌詞が頻出するような気がする。

5.旧市街
アルバムで、というかピープル史上最も印象に残る曲。リズムチェンジやら無理矢理なコードチェンジやら「変」な要素の集合体みたいな曲。更にそれをポップにまとめているんだからすげぇ。ボーカルはもう歌詞というか半ポエトリーディングみたいなもんだろこれ。

6.ストックホルム
ベースがカッコいいな。ここでも「楽しい」という歌詞が。

7.リマ
たぶんクリスマスのことだ。でも歌詞がものすごく黒い。「パパは強いけど欲望に勝てない」とかどういうことだよ。浮気か。

8.マルタ
なんかギターがきれいな曲。そしてその後ろでベースが暴れてます。ギターもボーカルもきれいだけど、このバンドにかかればさわやかとはほど遠い曲になります。

9.新市街
なんか間奏あたりから出てくるギターが祭囃子っぽい。踊りたくなってくる。

10.スルツェイ
このアルバムで一番疾走感がある曲。途中の「『まだまだ君はいきなさい』って」という歌詞とか最初ラッドかよとつっこみを入れたぐらい。最後の疾走感から次の曲へつながる部分は流石。

11.JFK空港
前曲がアレなので実質最後の曲になるのかな。微妙に全曲と歌詞がつながっていて、途中からポエトリーディングが入ります。なんか聞いてて9.11をイメージしたけど、それともなんか違うような難解すぎてよくわからん。

12.どこでもないところ
4分ぐらいあるエンドロール。コレにて世界旅行は終わり。

総評.
Family Recordということで『家族の記憶』という意味なのか、それとも『家系図』という意味で、これまでの人間全体の歴史のことなのかもしれない。戦争とかをイメージさせる曲が多々あるし。
まあ芸術作品の解釈というのは、聞き手にゆだねられるからどちらでもいいんだろう(とお茶を濁す)。ぶっちゃけピープルの歌詞はよくわからん。

でもとにかく、これまでとは格段に雰囲気が違うアルバムだとは感じた。このアルバムがピープルとしては、ターニングポイントになるんじゃないかと。
具体的に言うなら、「Ghost Apple」はArt-schoolとかsyrup16gみたいな陰鬱なイメージを受けたけど、このアルバムは七尾旅人の「911 Fantasia」みたいな戦争だとかメッセージ性があってそれを曲に乗せた感じ。

どこかのレビューにも書いてあったような気がするけど、このJロック音楽シーン(いわゆるロキノン系というやつ)の中心であるティーン層に一聴してカッコいいと思わせるような曲が少ないのがネックといえばネックなのかなと思う。
ただ完璧に聞き手に媚びる(という言い方が良いか悪いかはともかく)ことなく、自身の音楽を追求している姿勢は非常に好感が持てるし、本当に彼らが好きなファンならそれについてきてくれるんじゃないかと。

TaNaBaTa/REFLECT

1.アップルサイダー
 ローファイなテンションで始まる一曲。最初の曲ということでテンションがあがる。サビのコーラスもいい感じ。

2.ティンカーベル
 甘酸っぱいこのアルバムの中で最も甘酸っぱい。二人でロケットに乗って飛んでいこうみたいな歌詞。

3.no distortion
 ちょっと演奏を捻ってみましたみたいな。TaNaBaTaっぽくないけど、アルバムの流れ的にあえて狙ってるのかも。てかディストーションめっちゃ使っとりますやん。

4.透明な午後
 サイトにも配布されてた曲だけど、それとはアレンジが違う。バラード曲だけどちょっと苦手。

5.Snipe Me
 カッティングが超かっこいい。そしてにじみ出るArt-school臭。

6.ゴーストシップ
 シングル曲。シングル版と聞き比べてみると、どうやらリミックスし直しているようだ。
 さわやかなポップスで、なんかサビ前にNumberGirlっぽいリフが。

7.December
 アコースティックギター使った曲。師走の忙しさを歌ったのかな。
 というかなんで歌詞がいちいち甘酸っぱいんだ。


総評.
 TaNaBaTaのオリジナルアルバム。声はブランキージェットシティーやアートスクールみたいな鼻にかかった感じでもろ草食系で、女性ファンが多そうなイメージ。
 ロキノン系好きにはものすごくツボをついたアルバムで、値段も1500円もしないし超お勧め。 
 ただ、この手のアーティストのネックが通販か同人ショップでしか買えないのがネックか。
 まあ、とりあえず東方アレンジでもないし、ロキノン系が好きなら大抵は好きになれる、そんなアルバムだと思う。

syrup16g/Free Throw






1.翌日
シロップらしくディレイを効かせたロックサウンド。今思えばこのクオリティが初っぱなに来るとかすげぇ。

2.Sonic Disorder
ベースが肝となっている曲。ギターサウンドと相まって非常に気持ちがいい。

3.Honolulu★Rock
後のdelayededで唯一収録されなかった曲。なんかタイトルも歌詞も微妙だし、すべての要素がシロップっぽくない。いらないです。

4.明日を落としても
シロップで一番好きな曲。昔、黒いミスチルと言われていたのが納得の鬱ポップソング。delayeded版よりもこっちの方が好きかな。

5.真空
一番最後で一番激しい曲。こっちはdelayeded版の方が好き。

総評.一時期THE BACK HORN、ART-SCHOOLと並んで三代鬱バンドなどと言われていたSyrup16gが最初に世に出した1stミニアルバム。後にdelayededでほとんどの曲が再録されることとなったため、クオリティは非常に高いが、買う価値があるかというとまた微妙な塩梅な名盤。まあでも個人的にはこちらのほうが好きなので、問題はなかったりする。

ちなみに一時期絶版になっていたようだが、新たにボーナストラックも加えて再発されることになった模様。正直再発版も欲しい。

目録

基本アルファベット、日本語の順で。

amazarashi/0.6
ClariS/BIRTHDAY
eufonius/メトロクローム
LUNKHEAD/孵化
ONE OK ROCK/Nicheシンドローム
Outer/First and Last Mini Album "OUTER"
People in the box/sky mouth
People In The Box/Family Record 
syrup16g/Free Throw
TaNaBaTa/セツナライト
TaNaBaTa/REFLECT
いとうかなこ/Chaos Attractor 
岸田教団&THE明星ロケッツ/星空ロジック
岸田教団&THE明星ロケッツ/LITERAL WORLD
小林太郎/Orkonpood
超飛行少年/スーパーフライングボウイ
不可思議/wonderboy/ラブリー・ラビリンス

LUNKHEAD/孵化



1.id
初っ端からテンションが高い。リフからNumberGirlの影響が伺える一曲で、歌詞は世界系を髣髴とさせる。

2.素晴らしい世界
シングル曲。悪くないんだけどちょっと前の曲とかぶるかな。「素晴らしい世界、戻れない日々」という中二病具合が気持ちいい。

3.羽根
最初の歌詞から「こんな風な世界は嫌だよ」ってさっきの曲は?! 素晴らしい世界は?! って突っ込みたくなる。たぶん狙ってる。

4.サイダー
タイトル通り清涼感あふれる曲。このバンドって、こういう高校生の青春っぽい曲が多いイメージ。死にたくなる。

5.教室
バラード曲。なんかメディアでプッシュされてるお涙頂戴映画のエンディングテーマで使われてそう。

6.海月
なんか変な曲来ましたー。ハイハット連発ってだけで好きになれる。ハイハット萌へ。

7. 誰かじゃなくて
「『誰か』じゃなくてあなたに生きていてくれって言われたら」。なんだかここだけ取ると反自殺ソングに聞こえる。ラッドも気持ち悪いこと歌ってないでこういうこと歌えばいいのに。
といっても別段歌詞自体はそんなにおもしろくない。でも全体的にドラムが大好き。

8.ぐるぐる
超変な曲来ましたー。サビ以外の歌詞がすべて語りっぽくてチョモランマトマトっぽい。というか歌詞に初めて(略)が使われてるの見たわ。

9.ペルソナ
遊びは終わってここら辺からラストスパート。「何百回汚れたって 汚れた肉を削ぎ落として 綺麗な骨になっちまえば 僕たちは何者ですらない」という歌詞は正直凄いと思った。

10. こころ
さんざん今まで暗いこと歌ってきて、ようやくここで救われた感がある。アルバムにおける流れがどれだけ大切なのか、というのがしみじみわかる曲。

11. BRAVE SONG
最後の曲。歌詞の内容的にはたぶん(イメージとして)前の曲の続きっぽい。すべてが終わってエピローグ後の世界を歩いていこうみたいな。

総評.アルバムの流れが非常に秀逸。「陰鬱」な曲の流れから「救い」を与える曲がくることで、アルバム自体が物語りじみているというか。最近のLUNKHEADは聞いていないんだけど、かなり評判がいいみたいなんで、ほかのアルバムも聞いてみようかなあ。

つうか、今アマゾンを見たら、900円で買えるじゃん。フルアルバムでこれは安い。
……てか、わざわざタワレコで買ったのに。

2012年7月27日金曜日

岸田教団&THE明星ロケッツ/星空ロジック



1.ただ凛として
  冒頭からノリの良いギターロック。ボーカルのつたない感じも、逆に可愛らしくて良い。

2.クリアレイン
  哀愁を漂わせたアルペジオから始まるダンサンブルなロック。

3.84
  疾走感のある曲。散りばめられたよくわからない歌詞と、時折使っている空間系エフェクターがどこか浮世離れしているというか、ふわふわした印象を受ける。最後のギターソロもなかなかの聞き所。

4.秋空
  Number Girlっぽいリフから始まる曲。リフとサビ以外の部分のメロディ部分がちょっと弱いかな。

5.星空ロジック
  表題曲。メロディアスで疾走感のあるギターが心地よく、タイトルのせいか全体的にキラキラした印象を受ける。名曲。

6.Telegnosis
  なんか9mmっぽい。これまでとは少し雰囲気が違う気がするけど悪くはない。

7.Hello, World
  もろweezerのisland in the sun。これをオマージュととるかパクリととるかで、このアルバムの評価が変わる気がする。個人的には好き。

総評.現在はメジャーデビューしている同人音楽サークル、岸田教団&THE明星ロケッツが同人時代に発表したアルバム。アジカンとかあの辺りに近いギターロックで、かなりの良作だと思う。ただ、最後のトラックがちょっともろパクリなので、その辺りが気になる人は注意が必要かも。

ONE OK ROCK/Nicheシンドローム


1.Introduction
イントロなので特に言うことはない。

2.Never Let This Go
いきなりハイテンションのシャウトから始まるアップテンポな英詩ロック。無駄に英語の発音が良いと思ったら、どうやらボーカルが帰国子女らしい。

3.完全感覚Dreamer
メロディアスなキラーチューンで、これを聞いてこのバンドが中高生に人気があるのが納得できた。特に最後のサビからの畳み掛ける感じは非常に格好良い。

4.混雑コミュニケーション
前曲の興奮が冷めやまぬまま、次もテンションの高い曲。歌詞のセンスはアレだが、これも格好良い。

5.Yes I am
マーチングのようなドラムから始まり、「おっ、バラードかな」と思わせてやっぱりロックな曲。こういう引き出しがあるのね。

6.Shake it down
再びハイテンションに戻る。冒頭の英語の語りっぽいところが印象的。ちょっと馬鹿っぽいのもグッド。

7.じぶんROCK
出だしのスラップやコーラスとの掛け合いが格好良い。前曲よりも良い意味で馬鹿っぽいというか、かなり弾けている。

8.Lair
ダークな雰囲気から始まり、段々とハードになっていく曲。サビ辺りはかなり圧倒される。

9.Wherever you are
王道のエモバラードといった感じ。良いんだけど、ちょっとベタ過ぎかな。

10.Riot!!
ライブ受けしそうなエモーショナルな曲。何気にこのバンド、ボーカルだけじゃなくてコーラスも大変だと思う。

11.アダルトスーツ
曲だけでなく、歌詞もハイテンション高め。タイトルせいで、サビの部分の「全部ダメダメなんでしょ?じゃあもう放棄して」の部分が「全部だめだめ処女も放棄して」に聞こえたのば僕だけじゃないと信じたい。


12.未完成交響曲
ベタベタなエモロックで、全部日本語で歌われてる珍しい曲。いくらなんでもタイトルが恥ずかしすぎる。

13.Nobody's Home
最後は若干の哀愁を漂わせつつも、このバンドらしい正統派ロック。この曲が終わった後にオマケが入ってるけど、それに関してはノーコメントで。

総評.すすめられるままに聞いてみたけど、予想以上に良かった。ティーン層に受けそうな王道ロックバンドという印象で、かなり激しい曲が多い割にはダレずに聞けたのが良い。ジャンルとしては、目新しいことはやっていない、若干ハードなエモロックなんだけど、ボーカルがこの手のバンドの中では英語の発音含めて飛びぬけて上手いので、それだけでかなりの武器になっている。こりゃあ今まで聞かなかったのが勿体無いかったな。

ClariS/BIRTHDAY



1.サヨナラは言わない
タイトルどおりセンチな印象のメロディアスな曲。の割には後ろが結構ピコピコなっていてどこか散漫な印象。でも冒頭がこのタイトルなのは面白いと思う。

2.irony
某妹アニメの主題歌。曲自体は四つ打ち王道ポップスで間奏部分が結構面白い。歌詞はまさにツンデレアニメの主題歌といった感じだが、可愛らしくはあってもそこまで媚びた印象がないのはいいと思う。

3.恋磁石
サイバーというか、機械っぽいシンセが特徴な曲。悪くはないけど、パンチ不足な気が。

4.メモリー
エイベックスっぽいというか、一昔前のアイドルが歌ってそうなミディアムバラード。タイアップがなければ入れなくてもいいんじゃないかと思った。

5.nexus
ダンサンブルなちょっと切なめポップス。サビのハーモニーや間奏あたりの掛け合いが素晴らしく、このアルバム一番の良曲だと思う。

6.flowery
スローテンポなバラード。曲数的にもこういう広がりが必要だとは思うけど、凡作。

7.コネクト
某魔法少女の主題歌。シングル曲だけあってストリングスやピアノを使っていて、派手でメロディアス。だんだん疾走してくる感じとサビ途中のブレイクっぽい所が好み。

8.プロミス
冒頭のアコギが印象的。サビ前のタメとハイハット多用のサビがいい感じの良曲。

9.graduation
なんかこのアルバム切ない系の曲が多い気がする。ここまでくると飽食気味になる。

10.treasure
やっぱり切ない系。ピアノや掛け合いのあたりは悪くはない。

11.ナイショの話
某ミステリ作家原作のアニメ主題歌。曲提供がsupercellの人らしく、お得意の派手なバンドサウンドで、バラエティの少ないこのアルバムの中では良い意味で浮いている。

12.zutto
スローバラード。別に11で終わっても良かったような……。

総評.真偽はともかく中学生という売り文句で、色んな人気アニメの主題歌を歌っている二人組グループClariSの1stアルバム。シングルを中心に割と良い曲が入っている反面、似たような曲が多いので、どうしても二週目は飛ばし飛ばしで聞いてしまう。一昔前のアイドルの曲が好きなのなら、おそらく最初から最後まで楽しめると思う。

2012年7月23日月曜日

TaNaBaTa/セツナライト




1.ナイフ投げの少女
全編渡ってギターが格好いい。ライブ映えしそうな曲。

2.Strawberry Song
疾走感のある曲。このボーカル、上手いわけではないんだけどなぜか非常に魅力的。

3.Unknown Girl
ピアノのイントロが印象的な、このアルバム一番のキラーチューン。サビ前のボーカルの掛け合いがいい。

4.ちるのちるのちるの
電波ソング? 楽しそうなギターリフとピコピコ電子音がいい感じ。

5.ダンスホールでつまかまえて
タイトル通りのダンスチューン。ギターリフが非常に秀逸で、何度も聴けるスルメ曲。間奏のテンションがかなり謎。

6.Setsuna-light
イントロのピアノが印象的なスローバラードの曲。これまでがハイテンションだったため、箸休め的に聴ける。

7.恋色少女
正統派なポップロック。ただタイトルと歌詞が恥ずかしい。

8.レイラに捧ぐ
最後もポップなロック。最後のギターがいい感じなんだけど、ドラムの音が気になるかなあ。

総評.甘酸っぱい歌詞と声が魅力のTaNaBaTaの最初の東方アレンジアルバム。自分は東方は一切知らず、それどころか、東方アレンジってだけでなんとなく拒否反応があったんだけど、聴いてみるとこれがかなり良い。ギターロックが好きな人は結構好きだと思う。音質が少し良くないのと、打ち込みっぽいドラムの音が気になるものの、それ以外はかなり高水準。これが千円ちょっとで手に入るって凄いなあ。

People In The Box/sky mouth



1.生物学
2分程度のシューゲイザーっぽい短い曲。「海の底を這い回るニーチェ」なんて歌詞からも分かるとおり、非常に不気味な曲。

2.天使の胃袋
ごりごりのベースと必要以上に手数を増やしているようなドラムが気持ちいい。何気にPeopleの中ではかなりテンションの高いキラーチューン。

3.冷血と作法
色々とごちゃごちゃで雑多な感じがたまらない。特に、曲調が変わってからの最後には圧倒される。というか、よくこんな曲を作れるよなあ。

総評.People in the box初のシングルであり、全曲アルバム未収録。シングルというよりはミニミニアルバムという感じ。
これまで通り値段以上の価値があることは言うまでもないが、ピープルは最低でもミニアルバム単位で聴くのが普通だったため、この収録時間の短さは物足りない印象を受ける。

Outer/First and Last Mini Album "OUTER"

1.Ha!!!ppiness
なんとなくマキシマムホルモンっぽいことがしたかったのは分かる。ただ、ボーカル最初のラップみたいなのが陳腐。
サビに入ると非常にメロディアスで格好いいので、そこだけが残念。

2.Synthetic Organism
良いんだけど、前曲と印象が被る。

3.BARE END
出だしからKOTOKOのクリーントーンから始まるため、これまでの曲よりは聞きやすい。ただ悪くはないけど、なんとなく印象に残りにくい。

4.L.A.M-laze and meditation-
チープなイントロが印象に残る名曲。このアルバムに入ってる曲しか聞いたことがないけど、この曲が一番Outerらしいんじゃないかと思う。

5.Leave me hell alone
いい感じに頭の悪そうな英詩メロコア。発音の下手さもあいまって、女版ハイスタンダードっぽい。個人的には大好き。

6.Dirty Boots
まさかのSonic Youthのカバー。原曲よりもよりダークでハードになっていて、Outerらしい一曲になっている。

7.easy prey
このアルバムで一、二位を争うポップな曲。ベースから始まるって時点でなんとなく好印象。個人的には8に次ぐベストトラック。

8.Bullshit!! Hard problem!!
超名曲。格好いいくせに聞き取れない歌詞といい、ポップでハードなメロコアといい、すべてモロにツボ。


総評.エロゲとかの主題歌を作っているI'veからの派生バンド。ちなみにこのCD、コミケか公式通販でしか手に入らないという鬼畜仕様になっている。
通して聞いてみた印象としては、ボーカルであるKOTOKOの英語の発音と、ロック系のシャウトが辛そうだったのが記憶に残った。元々このOuterというグループ自体がダークな曲調が多いため、KOTOKOの声とはあってないように感じた。ただ、その分KOTOKOが得意としている高音はとても格好良かったし、最後のトラックが超名曲だったため、なんだかんだで、満足できる内容だったと思う。

小林太郎/Orkonpood


1.ドグラスタ
オープニングは歪ませまくったハードなナンバー。小林太郎の持ち味のひとつであるシャウトが多分に含まれていて、このアルバムの中では一番ロックを感じる。タイトルはドラッグスターのこと?

2.安田さん
二曲目はダンサンブルでポップな曲で、個人的にはアルバムの中で一番好き。ちなみにどの辺りが安田さんなのかはまったくわからない。

3.美紗子ちゃん
Mステ初登場時に演奏した曲。前二曲に比べると演奏自体は面白みがなく、一般受けを狙ったシンプルなロックバラードといった感じ。
ただこの手のアーティストの中ではかなり歌唱力のあるため、悪くはない。というか、普通に好き。

4.SAKURA CITY
爽やかなタイトルと曲調に反して、歌詞が剣だとか切っただとか裂いただとか物騒。始まりってのはそんなもんかもしれない。

5.蛇烙
1に似た泥臭い曲。小林太郎はカードコバーンだとかチバに近い声質なので、こういった曲調が合う。

6.ソフィー
冒頭の印を踏んだ歌詞が好き。サビにもう少し疾走感があればよかったかなと思う。

7.スノーダンス
8分近くある長い曲。長い割にはちょっと単調かも。前半2分くらいは削っても良かったのでは。


総評.初めて小林太郎を聞いたけど、19歳でこのアルバムを作れるのは純粋に凄いことだと思う。特に1~3の流れは素晴らしい。ただ、どうも後半がパンチ不足でダレ気味になるのが気になった。
最近のロックは奇を衒いすぎというか、アイディアで勝負みたいな部分があるので、こういうシンプルで誰もが聞いてカッコいいと思うロックをやってくれるアーティストは貴重な存在だと思う。ぜひこれからに期待したい。